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淋病(淋菌感染症)についての基礎知識

淋病は、淋菌に感染することによって発症する性感染症です。このページでは、性器クラミジア感染症に次いで多くの患者が報告されている淋病に正しく対処するための情報を紹介しています。

淋病は数ある性感染症の中でも感染力の高い疾患

淋病の病原体である淋菌(ナイセリア・ガーナリーア)は感染力が強いという特徴をもっています。このことは、効果的な治療法が確立されている現代においても、淋病の感染者数は過去10年間においてほぼ横ばいの推移を保っている大きな一因になっています。

淋病の感染率は性行為1回あたりで30%とかなり高め!

日本性感染症学会が発行している性感染症の治療ガイドラインでは、淋病にかかった相手と性行為を行うと、およそ30%の確率で淋菌が感染するとされています。

淋菌が感染する部位は、主に尿道や子宮頸管といった性器です。コンドームなどの避妊具を装着しないで性行為に及ぶ頻度が多いほど、淋病に感染する確率は高まります。

淋病は性器以外にも喉や直腸にも感染する

淋病の感染経路は性器同士の接触だけではありません。淋菌は、唾液や精子・膣内分泌物といった体液が粘膜に付着することでも感染するのです。オーラルセックスやアナルセックスを行うことで喉や直腸にも感染します。

毎年1万人規模の患者数が報告されている淋病患者の発生動向

厚生労働省が発表している調査結果(2011~2015年)では、毎年1万人ていど(8,698~10,247人)の淋病患者が発生していることが明らかになっています。

年代別にみると男女ともに20代の占める割合が最も高くなっています。

厚生労働省によって定期的に発表されている調査データから、淋病患者の割合を性別・年代別でまとめた結果を紹介します。

次の表のとおり、男女ともに20代をピークとして、年代を追うごとに人数の割合が減少しています。

淋病(淋菌感染症)患者の年代別割合
(2011~2015年に報告された47,486人が対象)
年齢/性別 男性 女性
10代未満 人数 2 26
割合 0.0% 0.0%
10代 人数 2356 1761
割合 6.3% 17.8%
20代 人数 14677 4963
割合 39.0% 50.1%
30代 人数 11460 1939
割合 30.5% 19.6%
40代 人数 6304 844
割合 16.8% 8.5%
50代 人数 2044 269
割合 5.4% 2.7%
60代以上 人数 746 95
割合 2.0% 1.0%

性別でみると淋病患者は8対2で男性の方が高めになっています。

次の表のとおり、淋病患者数を性別ごとにみると、女性よりも男性の方が圧倒的に多くの割合を占めていることがわかります。

淋病(淋菌感染症)患者の性別割合
(2011~2015年に報告された47,486人が対象)
年齢/性別 男+女 男性 女性
全体 人数 47486 37589 9897
割合 100.0% 79.2% 20.8%

とはいえ、淋病が男性がかかりやすい病気だと一概に言いきることはできません。この極端ともいえる男女の患者数の開きが生まれる背景には、次に紹介する内容が少なからず関わっていると考えられます。

淋病の患者数に極端な開きが生まれる背景

淋病の患者数に男女で大きな差が生まれる要因として考えられることは2つあります。

1つ目の要因は、男性に比べて女性の方が無症状である場合が多いということです。淋病に感染した場合の主な症状は、男性は尿道の炎症、女性は子宮頸管の炎症です。子宮頸管に淋菌が感染した場合、ハッキリとした症状があらわれないケースが少なくないため、感染していることを気づかないまま見過ごされてしまうしまうのです。

2つ目は、一般的な妊婦健診の項目に淋病の検査が含まれていないということです。女性が性感染症に感染している場合、自覚症状がなくとも妊婦健診によって発覚するケースは少なくないのです。

淋病を長期間にわたって放置すると重大なリスクを招く可能性が高まる

淋病の初期症状は、尿道からの膿や排尿時の痛みといった比較的に軽いものであるため、病院を受診しないまま放置されることも少なくありません。

しかし、淋病を悪化させてしまうと、次に紹介するような一生後悔しかねない重大なトラブルに発展する可能性が高くなるため注意しましょう。

精巣や子宮が激しい炎症を起こすと不妊症や子宮外妊娠になる可能性が高まります。

性器におこる淋菌性の炎症を放置すると、精管や卵管が癒着をおこす可能性があります。そうなると、精子や卵子を正常に運べなくなり、不妊症や子宮外妊娠を引きおこすことになります。これは、淋病にかぎらず、クラミジアなど他の性感染症でも起こり得るリスクです。

淋病に感染した状態で出産すると稀に新生児の目に障害を招くケースがあります。

感染者が妊婦の方である場合、出産時に淋菌が新生児へ産道感染してしまうことがあります。新生児に淋菌が感染すると、3~5割の確率で結膜炎(目の炎症)をおこすとされているのです。

現在の日本の法律だと、新生児におこる結膜炎の予防として、分娩後の抗生剤の点眼が義務付けられています。とはいえ、実施していない施設がないとはいいきれないため、出産を控えている方は事前の確認を必ず行いましょう。

淋病の早期完治や感染を予防するために意識すべき3つの心がけ

コンドームを着用して性行為を行うことを心がけましょう。

コンドームを着用したとしても、淋病を完全に予防することはできませんが、感染する確率は確実に低下します。アルコールが入った状態で性行為に及ぶと、判断力がにぶくなりやすくなるため、コンドームの着用を怠りがちになります。お酒を飲む機会が多い方は特に注意が必要です。

淋病に感染した疑いがある方は早めに検査を受けましょう。

淋病に限らず、性感染症に正しく対処するための基本は定期検査による早期発見です。不特定多数のセックスパートナーがいる方や、避妊具を着用しないで性行為をおこなうことが多い方は特に注意しましょう。

淋病と重複感染しやすく病状も似ているクラミジアも同時に検査!

淋病と重複感染する代表的な性感染症にクラミジアがあげられます。とくに男性のの尿道炎では、およそ3割の確率で重複感染しているといわれているのです。淋菌とクラミジアの症状は似ている部分が多いため、2つの検査を同時に行うことが推奨されています。

医師による診断を受けた後に適切な抗生物質の投薬をスタートさせましょう。

淋病は、病原菌に適応のある抗生物質を使用することで治すことができます。淋菌の治療に使用される抗生物質は、注射剤と経口内服薬の2種類あります。

現在推奨されているのは注射剤による治療ですが、注射剤が体質に合わない場合は内服型が使用される場合もあります。

いずれにしても、淋病への感染が発覚した場合は、早めに病院を受診して医師から適切な指導を受けることが重要です。

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